Rupert Holmes -『Escape (Pinã Colada Song)』の歌詞を和訳&考察

英語勉強法

70sのアメリカのポップスってどうして20代の私の心に響くんでしょうね。特に『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』で使われているような曲。『Awesome Mix Vol.01』のYouTubeのプレイリストを何度聴いたか分かりません。

今回は粒揃いの70sのポップスの中でも、筋金入りの最強ラブソング Rupert Holmes – 『Escape (Pinã Colada Song)』を和訳&考察してみました。1979年に発表されたヒットチャートです。

LAのKS101というラジオチャンネルでよくこの曲のイントロが流れるのですが、それを聴くたびに歌詞の内容を思い出して、一人心を締め付けられています。「ああ、人生って、恋って、こうあるべきなんだよな」と何故か納得してしまう歌詞なんです。

今回もアメリカの考察記事やWikipediaを熟読して、歌詞を和訳&考察していきますので、ぜひ見ていってください。前回の記事はこちらから見てね↓

Rupert Holmes 基礎知識

いろいろ調べてみたのですが、正直に言うと私がRupert Holmesの楽曲で知っている曲は『Escape』しかありませんでした…。俗に言う一発屋(だがその一発が巨大)だったようですね。でも『Escape』と同じアルバムに収録されている『HIM』という曲も見つけたのですが、なかなかカッコ良い曲でちょっとハマりそうです。

アーティスト名Rupert Holmes(ルパート・ホルムズ)
出身地イギリス・ノースウィッチ
ジャンルソフトロック、ポップロック
活動期間1969年〜現在
代表曲Escape (Pinã Colada Song)
Him
▲アメリカのWikipediaを参考

Rupert Holmes – 『Escape (Pinã Colada Song)』日本語訳

早速歌詞を和訳してみましょう〜! 基本的な歌詞はGoogleから引用しています。


I was tired of my lady
僕は彼女に飽きていた
We’d been together too long
ずっと付き合ってきたからね
Like a worn out recording
お気に入りのレコードが
Of a favorite song
いつの間にかすり切れてるみたいに

So while she lay there sleepin’
それで、彼女が寝てる間に
I read the paper in bed
僕はベッドで新聞を読んでいた
And in the personal columns
そしたら個人通信欄に
There was this letter I read
こんな投稿を見つけたんだ

If you like piña coladas
もしあなたがピニャ・コラーダに目が無くて
And gettin’ caught in the rain
雨に濡れるのが好きで
If you’re not into yoga
ヨガには興味がなくて
If you have half a brain
多少の常識がある方で
If you like makin’ love at midnight
真夜中のコッド岬の砂丘で
In the dunes on the Cape
愛し合うのが好きなら
Then I’m the love that you’ve looked for
私こそあなたが探し求めていた理想の恋人です
Write to me and escape
返事をちょうだい。一緒に逃げましょう

I didn’t think about my lady
彼女のことは考えなかった
I know that sounds kinda mean
それがひどいことだって分かってるよ
But me and my old lady
でも僕と彼女が陥っていた
Had fallen into the same old dull routine
お決まりのルーティーンには飽き飽きしてたんだ

So I wrote to the paper
だから、僕はその投稿に返事をした
Took out a personal ad
自分の住所は書かずにね
And though I’m nobody’s poet
詩を褒められたことはなかったけど
I thought it wasn’t half bad
なかなか悪くないと思ったよ

Yes, I like piña coladas
うん、僕はピニャ・コラーダが好きで、
And gettin’ caught in the rain
雨に濡れるのも構わない
I’m not much into health food
健康的な食事にはあまり興味がなくて
I am into champagne
それよりもシャンパンが好き
I’ve got to meet you by tomorrow noon
明日の正午に会ってみないかい
And cut through all this red tape
こんな堅苦しい文通なんてやめてさ
At a bar called O’Malley’s
オ・マリーズというバーがあるから
Where we’ll plan our escape
そこで逃避行の計画を立てよう

So I waited with high hopes
だから僕は浮き足立って待った
And she walked in the place
すると彼女がそこに現れた
I knew her smile in an instant
彼女の笑顔に見覚えがあった
I knew the curve of her face
その顔の輪郭もよく知っていた

It was my own lovely lady
それは僕の愛する彼女だった
And she said, “Oh, it’s you”
そして彼女は「なんだあなただったの」と
Then we laughed for a moment
それから僕たちはひとしきり笑って
And I said, “I never knew”
僕は「知らなかったんだよ」と返した

“That you like piña coladas
君がピニャ・コラーダが好きで
And gettin’ caught in the rain
雨に濡れるのも厭わなくて
And the feel of the ocean
海風を感じながら
And the taste of champagne
シャンパンを飲む人だったなんて
If you like making love at midnight
君が真夜中のコッド岬の砂漠で
In the dunes on the Cape
愛し合いたいと思ってたなんて
You’re the lady I’ve looked for
君こそ、僕が探し求めていた恋人だよ
Come with me and escape”
僕と一緒に来て、逃避行しよう

(以下サビの繰り返し)

初めてこの曲の歌詞を読んだ時には驚愕しました。最終的に、似た者同士がカップルになるということを改めて思い知らせてくれる歌詞です。バレた時の両者の開き直り具合がまた潔くておかしい。でもなんか泣けるんですよね。早く結婚して砂漠の上でイチャイチャしてください。

Rupert Holmes – 『Escape (Pinã Colada Song)』

ここからはチャーミングな『Escape (Pinã Colada Song)』の歌詞を考察してまいります。

考察1: なぜ、Piña Coladaなのか

私はこの曲でPiña Coladaというカクテルを覚えました。ココナッツリキュール(大抵はMalibu)とパイナップルジュースがベース。甘くて飲みやすい、トロピカルなカクテルです。

しかしなぜ、この曲ではPiña Coladaがアイコニックなお酒として歌詞に採用されたのでしょうか?

1999年創刊の音楽の歌詞などを解説するサイト「Songfacts」のRupert Holmesへのインタビューによると、Rupert Holmesはこの曲の歌詞を書いた当初、サビには”If you like Humphrey Bogart,” という違う歌詞を入れる予定だったとか。

Humphrey Bogart PNG HD

Humphrey Bogartは映画『カサブランカ』の主演で知られる色気のあるイケメン俳優。RupertがHumphrey Bogartのファンだったかどうかは定かではありませんが、彼は『Escape』の前に発表した楽曲の中でよくHumphrey Bogartの名前を出したり、彼の出演している映画について歌っていたんだそうです。

しかし『Escape』の歌詞を初めてバンドメンバーにお披露目するとなった時、そのストーリー性のある歌詞に驚いてもらいたかったRupertは、サビにHumphrey Bogartが入っていることで新鮮味が失われることを避けるために、直前で歌詞を変えることにしました。

お披露目5分前に考え抜いた結果、「現実から逃れてリゾートで休暇中の人がビーチで飲んでいそうなカクテル」を順番に思い浮かべ、Piña Coladaを採用。ちなみにRupert本人は、生まれてから現在に至るまでPiña Coladaを飲んだことがないそうです。

『Escape』がメガヒット曲となったことで、カクテルのPiña Coladaもアメリカ全土でバカ売れする事態になったそうなのですが、当のRupertはインタビューで「もし先にこの曲が売れるとあらかじめ知っていたら、Piña ColadaじゃなくてCoco Lopezという架空のカクテルをサビに入れて、手数料をもらうよ」とも語っていました(笑)。

考察2: In the dunes of the Cape はどこにあるのか

彼女が真夜中に愛し合いたい場所として挙げるスポットに”In the dunes of the Cape”がありますが、ここって一体どこなのでしょう? CapeのCが大文字なので、どこか特定の地域を指しているような?

英語で検索してみると、どうやらこれは大都市ボストンを擁するマサチューセッツ州にあるリゾート地、Cape Cod(コッド岬)を指しているとの記述を発見しました。Cape Codは海にせり出た細長い半島で、その沿岸にビーチがたくさんあるのだそうです。

Rupert本人がはっきりと場所を特定している記事は見つけられませんでしたが、どうやらアメリカで “The Cape” というと、この Cape Cod のことを指すのが一般的なようです。西のMalibu、東のCape Codと呼ぶべきリゾート地なのか、1950年台に活躍したヒットシンガーPatty Pageが、Cape Codを題材にしたロマンチックな歌をリリースしていたり、

最近ではVampire WeekendもCape Codのことを歌ったヒットソングを出しています。

終わり

いかがでしたでしょうか。また次回も歌詞を知ると聴くのがより楽しくなる音楽を紹介しますね。ピニャコラーダでも飲んで、気長にお待ちください。

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