【洋楽で英語勉強 Vol.3】America「Ventura Highway」を和訳&解説!

英語勉強法

ロサンゼルスからこんにちは、まあこです。

・英語の発音が上手になりたい
・英単語を楽しく覚えたい
・カラオケでカッコよく渋い洋楽を歌いたい

こんな内なる願いをお持ちのみなさん、今日もまあこと一緒に洋楽を熱唱して英語上達しちゃいましょう!

私は音楽好きの両親の影響で幼少期から80年代の洋楽を熱唱し続けてきました。そのおかげで、英語の発音だけむちゃくちゃうまくなった洋楽ラバーです。

私の経験から言うと、英語の発音と語彙力は、洋楽で必ず伸びます。

でもただ洋楽を歌って終わり、ではなく

歌詞の意味まで知って単語や発音を自分の中に落とし込むこと

のびのびと歌える曲に数多く触れること

この2点がとても大切。

というわけで、今回ものびのびと歌える洋楽ヒットチャート、America「Ventura Highway」をピックしました!早速その歌詞と解説をチェケラしていきましょう。

今までのシリーズも見てね↓

America 「Ventura Highway」について

心に響く珠玉のイントロ、みなさんもラジオなどで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

Americaは1970年にイギリスで結成されたバンドです。これには一言言わせて欲しい、アメリカのバンドちゃうんかーい!

でもWiki先生によると、メンバー全員の父親がロンドンに駐留するアメリカ軍の軍人だったそうです。自分たちのルーツをバンド名にしたんですね。

彼らはイギリスで音楽活動を開始しましたが、その楽曲のほとんどはアメリカの田舎を連想させるノスタルジックなフォークサウンドで、デビューから一躍、当時のソフトロック界を牽引する存在となりました。

メンバーはDewey Bunnell(デューイ・バネル)、Dan Peek(ダン・ピーク)、Gerry Beckley(ゲリー・ベックリー)の3人。3人ともマルチプレイヤーでボーカルとギターはもちろんのこと複数の楽器が演奏できます。1977年にDanが抜けてからは別のメンバーに引き継がれて現在も活動を続けています。

「Ventura Highway」は1972年にリリースされたAmericaの代表曲の一つ。メインボーカルであるDewey Bunnellが作詞を手掛けました。

タイトルとなったVentura Highwayはカリフォルニア州にあります。実際の名前は「Pacific Coast Highway」。ロサンゼルスの中心から約1時間くらいの場所にある「Ventura」という街に通じる高速道路です。

熱唱英語上達ステップ1:歌詞 & 日本語訳を知ろう

なんとなく背景が見えたところで、歌詞とその意味も見ていきましょう!

Chewing on a piece of grass
Walking down the road
Tell me, how long you gonna stay here, Joe?
Some people say this town don’t look good in snow
You don’t care, I know

草を噛みながら
道を下っていく
なあ、ここにはいつまでいるつもりなんだ、ジョー?
この街の雪がいけすかねえってやつもいるんだ
ああ、お前は気にしないんだったな

Ventura Highway in the sunshine
Where the days are longer
The nights are stronger than moonshine
You’re gonna go
I know-uh-oh-uh-oh-uh-oh-uh-oh-uh-oh-uh-oh

日差しの中のヴェンチュラハイウェイ
日が長く、夜が濃い場所
月明かりも夜にのみ込まれる
もう行かなきゃいけないんだろ
分かってるさ

‘Cause the free wind is blowing through your hair
And the days surround your daylight there
Seasons crying no despair
Alligator lizards in the air, in the air

風がお前の髪を吹き抜けて
過ぎゆく日々がお前の意識を取り囲む
季節は叫ぶ 悲しみもせず
ワニトカゲみたいな雲だ、ほら

Wishing on a falling star
Waiting for the early train
Sorry boy, but I’ve been hit by purple rain
Aw, come on, Joe, you can always
Change your name
Thanks a lot, son, just the same

流れ星に願いながら
早朝の列車を待っている
すまんな小僧、俺はいまいましい雨に打たれすぎちまった
なあに、ジョー
お前はいつだって名前を変えられる
色々と世話になったな、元気でやれよ

Ventura Highway in the sunshine
Where the days are longer
The nights are stronger than moonshine
You’re gonna go
I know-uh-oh-uh-oh-uh-oh-uh-oh-uh-oh-uh-oh

日差しの中ののヴェンチュラハイウェイ
日が長く、夜が濃い場所
月明かりも夜にのみ込まれる
もう行かなきゃいけないんだろ
分かってるさ

‘Cause the free wind is blowing through your hair
And the days surround your daylight there
Seasons crying no despair
Alligator lizards in the air, in the air

風がお前の髪を吹き抜けて
過ぎゆく日々がお前の意識を取り囲む
季節は叫ぶ 悲しみもせず
ワニトカゲみたいな雲だ、ほら

Ventura Highwayの中で描写している街は2つある

日本にいる時からこの曲の大ファンだった私は、晴れて現在ロサンゼルスで留学生活を満喫しているので、この曲の舞台となったVenturaにももちろん大喜びで足を運びました。

そして実際に冬のVentura Highwayを通りVenturaの街も訪れて、あれ?と疑問に思ったのが、歌詞の中にある「Some people say this town don’t look good in snow」の部分です。

カリフォルニアは常夏です。真冬でも日本の10月くらいの気温がずっと続きます。年中暖かい場所なので、カリフォルニアにあるVenturaが雪景色になることはありえないのです。

調べてみると、作詞のDeweyがコメントを出していました。それによると、なんとVentura Highwayで描写している場所はカリフォルニア州のVenturaだけではありませんでした。

この曲の主な舞台となるのはネブラスカ 州のOmaha(オマハ)をモデルにした田舎町です。

冬のオマハ
Ventura Highwayの中ではもう少し田舎町のイメージでしょうか

冬が厳しく、雪景色が美しくない田舎町から、Joeという少年(Deweyのこと)がカリフォルニアを思って旅立つ場面を描いているのです。

Ventura Highwayの登場人物はJoeともう1人いる?

また、この曲に登場するのはJoeと呼ばれる少年だけではありません。

Joeと一緒に道を歩いていたり、駅まで送ってあげたりする「無愛想なおじさん」が登場しています。どっから出てきたおじさんなんでしょう?

Deweyによると、実はこのおじさんはJoeの心の声なんだそうです。「これからどうするつもりなんだよ、ジョー?」と心の中のおじさんと会話しているのです。

言われてみれば、この曲の中で喋っているのはおじさん一人で、Joeは何も喋っていません。Joeに何か質問しても、Joeの返答を聞く前におじさんはもう彼の答えを分かっています。

その上で、これから早朝の列車に乗って明るい思い出のVenturaへ向かう少年を送り出しています。

未来へ向かう少年を羨ましそうに送り出す無愛想なおじさん=Joeの過去、故郷

という解釈となるわけですね。

余談ですがDeweyによると、この不機嫌なおじさん(Deweyの言葉のままだとgrouchy old man)は彼が父親の駐留の都合でミシシッピに住んでいた時に会ったおじいさんがモデルなんだそうです。

Alligator lizard(ワニトカゲ)は変わった形の雲のこと

この曲を聴いたリスナーを、不思議な夢の世界に誘い込む役割を果たしているのが、サビの最後に唐突に登場する「Alligator lizards in the air」でしょう。

でもあまりに唐突すぎませんか?そもそもワニとトカゲ?なに?となったので調べてみました。

Alligator lizardsは唐突に飛び出してきた空想のお友達ではなく、彼の記憶にある心象風景を表していたのです。

この描写はDeweyの少年時代の記憶に基づいており、

家族で初めてカリフォルニアをロードトリップしている途中で車がパンクしてしまい、お父さんがタイヤを換えている間に、車の上に登って弟と空を眺めて見つけた変わった形の雲がワニトカゲに似ていたんだとか。

California Heps.comより引用 カリフォルニアのワニトカゲ

そしてalligator lizardは「ワニトカゲ」というトカゲの一種です。alligatorとlizardで「ワニ」と「トカゲ」のように2種類の爬虫類が出てきている取り方もできますが、どうやら違うようです。

(ちなみに私はずっとワニとトカゲが急に現れたんだとダブルで勘違いしていました… )

Purple RainはのちにPrinceがアルバム&自伝映画のタイトルに

読解力が求められる詩的表現が多い「Ventura Highway」の歌詞ですが、そのドリーミーな表現は他のアーティストにインスピレーションを与えてきました。

前回取り上げたPrinceもその1人です。前回訳した「I Would Die 4 U」が収録されているアルバムと、その曲が使われた自伝映画のタイトル「Purple Rain」は実は「Ventura Highway」の詩から取られています。

「Sorry boy, but I’ve been hit by purple rain」ここですね。

作詞のDewey曰く「Purple Rain」の意味は「You got me」= 参っちまった

Princeもそんな意味を汲んで自身のアルバムのタイトルを付けたのでしょうね。

熱唱英語上達ステップ2:単語を覚えよう!

歌詞の意味が分かったところで、語彙も見ていきましょう。

Word

to chew on           (他動詞)…を噛む、くわえる

チューイングガムのchewですね。同じ意味を持つ単語の「bite」は「噛む、噛みつく」といったイメージですが、chewは「(口の中で)噛み締める」という印象です。

Word

daylight           (可算名詞)1. 日光、昼光
                     2. 意識、正気

訳が難しかったのですが2番の意味を採用し、歌詞では白昼夢としました。

Word

alligator lizard         (可算名詞)ワニトカゲ

難しい単語はあまり出現していないのですが、表現が独特で意味を捉えるのが難しかったですね。

ワニトカゲが一番勉強になりました…。

熱唱英語上達ステップ3:歌おうぜ!

静かで優しい曲調の歌の中に、こんなに深い意味と歴史が詰め込まれているのが分かったところで、その心象風景を思い描きながら熱唱していきましょう。

舞台はアメリカ中部の寒い街。もうすぐ雪が降りそうです。

少年は家族とカリフォルニアを旅した記憶を思い出します。夏の日差しが降り注ぐ海辺の道で、パンクしてしまった車。その車の上に登って兄弟が空を見上げて雲にワニトカゲの姿を見つけました。その傍らには「Ventura」の標識…。

Joeの記憶、もらいうけたいくらいエモいですね。彼になり切って歌いましょう。

イントロやギターラインも素敵な曲なので、エアギターなんかもしたらいいかもしれません。

終わりに

いかがでしたでしょうか。

次回からも私が愛してやまない洋楽を勝手にお届けしてまいりますね!

ばいちゃ〜!

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